利用ガイド・詳細版

(※) 研究林のご利用を検討されている方は利用するには?をご参照いただき、こちらのページの内容は参考程度にご覧ください。

 北海道大学 北方生物圏フィールド科学センターには、北海道内を中心に森林、湿地、湖沼、河川など多様な陸域生態系の発達する森林圏フィールドがあり、多くの野生動植 物が生息しています。約7万haにおよぶ広大なフィールドと各種の実験観測施設、分析機器類および専門技術職員の配置により、北東アジアの陸域生物圏-地 球圏科学の基礎研究と北方林の多目的利用、地域資源の開発・管理に関する総合的なフィールド研究拠点として、学内はもとより国内外の多くの研究者に利用さ れています。また地域における社会教育の場としても門戸を解放しています。

 森林に関する調査研究や教育、実習、研修等の目的のために北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター 森林圏ステーションのフィールドや施設を利用する場合は、施設利用申請書および利用目的や実施計画等を明記した利用計画書を提出して許可を得てください。 申請書の受理から許可までの手続きに時間がかかりますので、3週間前には提出をお願いいたします(「利用申請の手順と記入例」を参照)。また、利用するに あたり以下の諸点に留意してください。

 当センターには森林圏ステーションの他に、耕地圏ステーションや水圏ステーションのフィールド研究施設があり、多くの研究者に利用されています。それら のフィールドや施設にも同様の利用申請様式と個別様式が必要な場合が場合がありますので、利用の際には 担当窓口 にお問い合わせください。

 研究林利用者にお願いがあります。申請書等の書類提出は、E-mailによる添付ファイルで提出(送信)してください。

E-mail:exforest(at)fsc.hokudai.ac.jp

1.森林圏フィールドの利用
入林許可

 国立大学法人北海道大学北方生物圏フィールド科学センター森林圏ステーションのフィールドに入林する時は、フィールドを管理する研究林長から入林許可証の交付を受けてください。すでに利用許可を得ている場合はその目的のための入林に限り、入林許可を受けたものとします。

林道の通行
 林道を通行する時は、フィールドを管理する研究林の担当技術班で通行証と林道ゲートの鍵の交付を受けてください。通行証は車両のフロントの見えやすい場所につけ、管理作業車や他の車両および野生動物、歩行者に注意して、安全運転を心掛けてください。林道ゲートは通行のたびに必ず施錠し、無許可の後続車両が侵入しないことを確認してください。通行証と林道ゲートの鍵は使用後すみやかに返却してください。なお、林道の除雪は原則として行っていません。林内に駐車する際は、他の通行車両の妨げにならない場所に止めてください。特に、ゲート前の駐車は厳禁します。

調査区の設定
 林内に調査区を設定する場合は、場所を明記した地図を利用計画書とともに提出してください。
 次のような場合は調査区の設定を許可できないこともあります。

a)他の研究目的で調査観測や森林管理が行われている場所
b)庁舎周辺や林道沿いなど日常的に保守管理作業を行っている場所
c)周辺の環境に対する影響が大きいと判断される場合
d)調査区の設定が長期間(数年以上)にわたる場合

 化学物質や危険物を使用する場合は、種類と量に拘わらず利用計画書に明記してください。調査終了後は使用済の機材やゴミ等をすみやかに撤去し、環境の保全に十分配慮してください。
 調査区の管理は原則として利用者の責任となります。
 調査区には利用代表者名と利用者コードを明記したピンクテープ等ではなく、わかりやすい標識を設置してください。

センター職員によるサポート
 利用時期や内容により、センター職員によるサポートが可能な場合がありますので、各研究林の担当技術班に事前に問い合わせてください(計画書に記載箇所があります)。センター職員による現地案内、各種車両(バス、トラック、重機、トラクター、スノーモービル、雪上車、モノレールなど)や各種機器類(チェンソー、刈払い機、測量機具など)を用いた現場作業などのサポートが可能です。

動植物標本の採取
 調査研究のために研究林内で動植物を採取する場合は、種名や個体数等を利用計画書に詳しく記載してください。保存林や鳥獣保護区に指定されている箇所、魚類の採取を禁止している河川もありますので、事前に各林の担当技術班に問い合わせてください。樹木の植栽や伐採等を伴う研究の場合は事前に協議が必要になります。

利用の制限
 長期的な野生動植物の研究への影響を避けるために、研究林内に外部からの動植物類や微生物を許可なく持ち込むことや、野生動物に餌を与える行為は禁止します。センターの職員はフィールドや施設の利用者が環境への影響、安全性、利用の目的、作業計画、許可事項などに対して重大な違反があると認めた時はただちに利用を中止させることができます。つねに適正な利用を心掛けてください。

事故防止と安全の確保
 フィールドでは火気の取り扱いに十分注意し、山火事の防止に努めてください。林内には危険な場所や作業を行っている箇所などがあり、ヘルメットの着用をお願いする場合もありますので、職員の指示に従ってください。倒木、事故、火事、林道や林地の崩壊、禁止行為、不審者、危険な動物をみかけた時は、ただちに近くのセンター職員に連絡してください。
 当センターにおいては、事故等の管理責任は負いませんので利用者はつねに事故防止に努めるとともに、保険に加入するなどの対策を講じてください。



2.研究施設・設備の利用

 研究林等の庁舎内の実験室、講義室(研修室)、図書室などが利用できます。またコンピューター(電子メールの接続可)、コピー機、電話、ファックス、各種実験設備(実体顕微鏡、電子天秤、分析機器類など)、管内地図、空中写真などが利用できます。実験試薬等の消耗品費は利用者の負担となります。多量のコピーや通話料、光熱水料等が必要な場合は事前に各研究林の担当窓口に問い合わせてください。



3.観測資料等の利用

 森林圏ステーションでは組織的な調査観測による各種の観測データの蓄積があり、その一部は一般に公開されています。また、これまでに森林圏ステーションを利用して行われた調査研究の成果やデータの一部も利用者に提供できる場合があります。これらの資料の利用を希望する場合は、利用計画書に目的や利用範囲などを詳細に記載してください。利用可能な資料に関する質問は各研究林の 担当窓口へ問い合わせてください。

 


4.宿泊施設の利用

 各研究林には宿泊施設や長期滞在者用の自炊施設があります。調査研究や実習研修などのためにこれらの宿泊施設を利用する場合は、①各研究林に電話等で利用が可能かどうかを事前に確認し、②宿泊施設利用申込書(指定の様式)をそのつど提出してください。
 なお、宿泊施設の利用は、「フィールド等の利用申込み」とは別に申し込んでください。
 宿泊施設の申込みは、各研究林直接提出してください。



5.調査研究成果の提出

 利用者が森林圏ステーションのフィールドや施設を利用して行った研究の成果を発表した場合は、その内容に関する報告を森林圏ステーション長あてに提出してください。提出先は

利用申請の受け付けアドレスまたは各研究林です。また博士論文、著書あるいは学術雑誌等で研究成果を発表した場合は、その別刷りなどの成果品を1部提出してください。
 なお、北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター 森林圏ステーションではフィールドステーションとしての機能をより一層充実させるために、調査観測によって得られた成果やデータを以後の利用者が効果的に利用できるシステムの構築を基本方針としています。森林圏ステーションにおける研究観測に基づく成果の公表後は、森林圏ステーションへの観測データの提出にご協力いただき、森林圏ステーションにおけるそれらのデータの管理および以後の利用者への提供についての理解と協力をお願いします。