中川研究林

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技術スタッフ

自然条件・特色

  • 面積: 約194km2(19,364ha)
  • 年平均気温: 5.9℃
  • 年間降水量: 1,300mm
パンケ山とアカエゾマツ林
パンケ山とアカエゾマツ林

 中川研究林は、北海道北部の中川町と音威子府村にまたがって所在し、1902(明治35)年に当時の北海道国有林より所管替えを受けて創設されました。庁舎は北海道で最も人口の少ない自治体である音威子府村(人口約740人)にあります。本地域は夏季と冬季の寒暖差が激しく、過去の最高気温は34.9℃、最低気温は-34.9℃です。また、北海道内有数の豪雪地帯であり、過去の最大積雪深は平地で281㎝に達しています。

中川研究林のカタクリ
       北限域のカタクリ

 天塩川中流域の右岸側(北緯44度43~53分、東経142度01~19分)に中川研究林は位置します。地形は起伏が激しく、

大小の山地河川が流れています。地質は大部分が中生代白亜紀の堆積岩で、一部に第三紀層と塩基性の強い蛇紋岩が分布しています。このように複雑な地形や地質のため、さまざまなタイプ の森林が存在するのが中川研究林の特徴です。 

 標高は20~716mと比較的低いものの、渓畔林から針広混交林、ハイマツ地帯まで、多様な植生の垂直分布を観察することが出来ます。高木のカツラやキタコブシ、草本のカタクリは中川研究林内が分布の北限になっており、蛇紋岩地帯ではアカエゾマツ純林やオゼソウ群落など特殊な植生が見られます。
 研究林全体が鳥獣保護区に指定されており、オジロワシなどの貴重な鳥類の生息地や、サケ科魚類の産卵場所として利用されています。その一方で、エゾシカの増加や外来種であるアラ

イグマの侵入が確認され、それら動物の増加による森林生態系

への影響が懸念されています。

研究・教育

照査法試験林での毎木調査
照査法試験林での毎木調査

 1970年代から森林動態を解明するために多数の長期観察林が設定され、現在では47箇所、総面積42.4haになっています。また、天然林施業法の確立を目指して1967年から照査法試験林を設定、総面積261 haに対し50年近く毎木調査を行っています(吉田研究室のWebサイト)。この森林動態の大規模な長期調査プロットは、近年はラジコンヘリ等を用いた遠隔からの森林調査法開発や、択伐施業と生物多様性の両立を目指した研究にも利用されています。

ライトセンサスで観察されたエゾシカ
ライトセンサスで観察されたエゾシカ

 それらの特色を活用し、長期的な森林生態系および環境変動パターンの解明のために、本研究林内に多数設置されている長期観察林における毎木調査だけでな く、哺乳類・魚類・鳥類の個体数および水文水質・気象データの長期モニタリングも行っています。さらに、気候変動(温暖化、雪解)や環境変動・外部要因の変化(窒素沈着、シカによる林床植生の食害)に対する北方林の応答 メカニズムを解明するために、大規模野外操作実験を実施して森林の生物多様性および生態系への影響の解明を目指しています。

温暖化実験:中村研究室のWebサイト

雪解実験:小林研究室のWebサイト 

窒素沈着、ササ除去:福澤研究室のWebサイト

  

 教育活動では、本学の全学教育科目、農学部、大学院環境科学院などの学生実習だけでなく、国内外の他大学による各種の学生実習にも利用されています。また、一般の方を対象とした自然観察会や、地元の小学校や高校の総合学習にも携わっています。

研究・教育フィールドの管理

ブルドーザーによる連絡道の整備(造林地)
ブルドーザーによる連絡道の整備(造林地)

 中川研究林は、研究林内の森林をその特徴や立地条件、利用目的等によっていくつかのタイプに区分し、それぞれの森林区分に応じた管理を行っています。森林区分の中には、樹木の伐採・林道の整備・造林地の育成といった人為的な利用・管理を積極的に行う「森林施業試験林」や、主に森 林科学の研究活動を行う「森林生態系試験林」の他に、比較的原生状態に近い森林を保存し、天然の森林とそこに棲む生き物の生態を観察する広大な「原生保存林」等が含まれています。

積雪期の移動手段である雪上車
積雪期の移動手段である雪上車

 大学研究林の森林管理は、森林と人間のより良い関わり方を模索する長期間かつ大規模な社会実験であり、中川研究林では、その活動を通じて得られた成果をきちんと社会に還元することを目指しています。

 北大研究林の北管理部と中川研究林が所在する中川町は、天然林管理や生物多様性に配慮した森林経営をテーマに包括連携協定を結んでいます。中川研究林では、人的交流や技術支援等を通じて、中川町が実施している森づくりに積極的に協力しています。

森林区分と主な調査地

所在地・問い合わせ先・交通アクセス

中川研究林庁舎
  • 中川研究林庁舎の所在地:

   〒098-2501

   北海道中川郡音威子府村字音威子府483番地

  • TEL: 01656-5-3216
  • FAX: 01656-5-3218
  • メールアドレス:  nakagawa(at)fsc.hokudai.ac.jp

札幌市内からの交通アクセス:

  • 鉄道利用: JR宗谷本線 音威子府駅下車 徒歩10分
  • 乗用車利用: 道央自動車道 士別剣淵間IC下車後 国道40号線を約85km北上

宿泊施設

音威子府宿泊施設

  • 定員: 10名

   ※ 音威子府宿泊施設は中川研究林庁舎内にあります。

   ※ 宿泊施設の詳細は こちら をご覧ください。

中川学生宿舎

中川学生宿舎
  • 中川学生宿舎の所在地:

 〒098-2800 中川郡中川町字中川番外地

  • TEL・FAX: 01656-7-2359
  • 定員: 40名

 

※ ご利用等のお問い合わせは中川研究林庁舎(TEL: 01656-5-3216)までご連絡ください

※ 宿泊施設の詳細は こちら をご覧ください。

ご利用やご宿泊を検討される際は、
まずは中川研究林庁舎へお問い合わせください。