【和歌山】「森のたんけん隊 古座川編」を開催しました。

 

 86()88()に北海道大学公開講座「森のたんけん隊 古座川編」を和歌山研究林にて開催しました。

 小学校4年生から6年生までを対象に、古座川町・串本町・田辺市から計16名の方に参加いただきました。

 

 

 現在、和歌山研究林庁舎から林内へ向かう国道が一部通行止めで車が直通できないため、う回路の細道を2kmほど歩いて研究林に向かいました。

 

 

 

 

 小学生にとってはなかなかの距離を歩いてもらいましたが、さすがは自然豊かな地域に住む子供たち、用水路の至るところにいるアカハライモリをつかまえたり、シーボルトミミズを触ってみたり、森が開けたところで大声を出してやまびこを聞いたりと自分たちで面白いことを見つけながらどんどん進んでいきました。

 研究林に到着し、本格的に探検スタートです。大森山保存林には約180種の樹木が自生しており、特徴的な樹木が多くあります。お題が書かれたミッションシートに沿って「カエルの手に似た葉を持つ木」や「鹿の子模様に似た樹皮を持つ木」などを探しながら森を歩き、「東京スカイツリーのモデルになった木」を探しにモノレールで大森山保存林の奥まで探検しました。

(★答えは最後に記載しています) 

 

 

 植物のにおいクイズでは、いい匂いがする

ホオノキやノキやヤブニッケイ、湿布薬(サリチル酸メチル)のにおいのするミズメなど樹木のにおいの違いにも興味を持っている様子でした。

 

 6日は、途中どしゃ降りに見舞われるハプニングもありましたが、滝のように流れるタープの落水を楽しんでいる子も多かったです。(濡れた服はすぐに予備の服に着替えました。)

お昼の流しそうめんはみんなで大盛り上がり!たくさん探検してお腹はペコペコだったようです。 

 

  研究林内最後のプログラムはシャーマントラップを使った野ネズミ調査です。森の生きものを調査する方法を学びました。

 

 

 

 帰りの道も歩き切り、ラストのプログラムはオオサンショウウオの観察です。和歌山研究林のある古座川町平井の平井川は、70年ほど前に兵庫から持ち込まれたオオサンショウウオが生息・繁殖しており、国内外来種ではありますが国の特別天然記念物として保護されているという特殊な地域です。

 今回は、平井川で捕獲した個体の全長と体重を測定しました。オオサンショウウオを初めて見る子も多く、その大きさに驚いている様子でした。

 

 

 和歌山研究林の森のたんけん隊は2004年に始まり、一昨年以来の開催でした。森をはじめとする自然の中での活動を通じて、樹木や生き物の面白さを実感していただけたなら幸いです。

 

 

(和歌山研究林 前田)

 

 

(★樹木クイズ答え)

・カエルの手に似た葉を持つ木

…「イタヤカエデ」葉がカエルの手に似ていることから「かへる手」と呼ばれていたことがカエデの由来。

・鹿の子模様に似た樹皮を持つ木

…「カゴノキ」樹皮がうろこ状に剥がれ落ちて鹿の子模様に見えることから名前が付いた。

 ・東京スカイツリーのモデルになった木

…「コウヤマキ」狭い円錐型の整った樹形が美しく、世界三大庭園樹に数えられる。