7月1日(金)に、北方生物圏フィールド科学センター北管理部の主催で、「第1回 北の森林(きたのもり)サイエンスCAFE」を開催しました。これまで北管理部には市民が集まるスペースがなかったのですが、4月に完成した新棟には十分な講義室があり、開催が可能となりました。
サイエンスCAFEでは、東川町にある木と暮らしの工房・代表の鳥羽山聡さんから「白樺プロジェクト―森林と生活者を結ぶ」、本センターの吉田俊也教授から「大学―地域のつながりで広がる森林研究」という演題で講演がありました。
鳥羽山さんの話では、シラカンバは北海道を代表する樹木であるにもかかわらず、林業界ではこれまであまり利用されてこなかったこと、白樺プロジェクトでは、付加価値がついた形でシラカンバを材料にした家具などが製品化していること、シラカンバは幹の部分を木材として利用するだけでなく、枝葉や樹液、樹皮など一本丸ごと利用できることなどの紹介がありました。また、吉田教授からは、実際にシラカンバの種子や芽ばえを手にしながら、シラカンバの生態的な特性や、北大研究林でこれまで行われてきた自然の力を利用したシラカンバの森づくり方法に関する研究紹介がされました。
イヴェントには、道北地域の民間や自治体の林業関係者、森林で取れる材料を利用して制作活動をしている作家、登山ガイド、大学院生など、多様なジャンルの方が合計20名以上参加しました。
講演の合間には、研究林産のシラカンバを使って作られた椅子や机があるコワーキングスペースにおいて、コーヒーを飲みながら議論に花が咲いていました。今後も、サイエンスCAFEは定期的に開催し、他分野にわたる森林関係者が北国の森やそこで行われている様々な活動について理解を深める場となればと考えています。