4月21日18時35分頃、中川研究林の庁舎入口に立っている3本組のトーテムポール「思考の鳥」の1本「フクロウ」が倒壊しました(そのときは風が強かったのですが、事務所内に居てドンという倒れた音が聞こえました)。
この「思考の鳥」は彫刻家・砂澤ビッキさん(1931~1989年)が、音威子府村内の中川研究林の樹木で1981年に製作された作品です。
右の写真は、3本とも建立当時の形を留めていた頃ですが、その後、中央の「エゾシカ」(素材はウダイカンバ)は2003年10月に地上部3m程度を残して倒壊、手前の「キツツキ」(アカエゾマツ)は2010年9月にくちばし(ここだけイチイ)と顔の一部、2015年10月に翼が落ちていました。
そして今回、ほぼ建立当時の形を最後まで残していた「フクロウ」(アカエゾマツ)が地上部1.7mあたりから倒れたのです。
ビッキさんの言葉「自然はここに立つ作品に風雪という名の鑿を加えていく」のだとすると、この姿もまた作品といえます。
倒壊した部分は当分の間は残しておく予定ですが、その後は伐採地に還すのか等々、検討中です。
(中川研究林 馬谷)
【追記】
「美術的記録的価値が高いため保存したほうがよい」「ビッキの野外作品はそのまま自然に委ねるのがよい」という意見がありました。検討した結果、すでに砕けていた柱部分はそのまま残して、原形をとどめている翼部分は音威子府村にあるエコミュージアムおさしまセンターBIKKYアトリエ3モアで保管・展示されることになりました。